ゲルタ・ストラテジー

唯一神ゲルタヴァーナと怒れる十一の神々に敬虔なる真理探究者たちの散兵線における無謀を報道する。

11Gods-3

家畜達は自らの運命を呪った。
家畜達は自らの運命を呪う知恵があった。
家畜達は自らの運命を変える知恵があった。

しかし、家畜達は知恵の使い方には無知であった。

怒りは至らなければ醜い。
醜い怒りは怒りではない。呪いだ。
呪いは醜い怒りだ。至らない不完全な過ちだ。

子供に怒りをぶつける男がいた。
男の怒りは自ら生み出したものだった。
自ら生み出す怒りが、至ることは少ない。
例に漏れず、その男の怒りは怒りではなく、呪いだった。
呪いは子供の命を絶つ。
子供は怒りを手に入れることなく、手に入れたとしても、行使すること無く、散る。

僕は怒りを抱いた。世界の動力を錆付かせるこの男に。
呪いを矜持にする愚かな男に。

呪いは赦されない。

《ヴァルギオストス》の手が男に向かった。

男は目を剥いた。男は僕を呪った。

《ヴァルギオストス》は機敏に反応した。
次の瞬間男の頭は、首から外されていた。
その次の瞬間には、男の肉体は全体を成していなかった。

抱いた怒りをすぐに解放できた充実感に、僕は満足した。

その日はよく眠れた。神と一体となる夢を見た。