11Gods-4
予想以上に怒神は感情に馴染んだ。
やはり人は、怒りで動くように出来ているのだ。
人はパンで生きるにあらず、怒りにて生きるのみ。
先の一件で僕は、家畜たちの呪いの的となった節がある。
しかし同時に、礼賛の的ともなったようであった。
呪いの代行者の出現に対する喜びを、家畜達は感情で示したのだ。
そしてそれは、家畜の家畜たる所以でもあるようだ。
自らの怒りを呪いと堕させることに甘んじているのだ。
本来ならば《ヴァルギオストス》の降臨を、喜びで迎えるということがあってはならない。
喜びで迎える彼らは、もはや世界の理から外れる道を直進しているようであった。
僕はひたすらに人でありたい。
この胸に怒りの感情が渦巻くから。