ゲルタ・ストラテジー

唯一神ゲルタヴァーナと怒れる十一の神々に敬虔なる真理探究者たちの散兵線における無謀を報道する。

西暦二千十五年度大真理探究表明によせて

 言語によって蓄積された我々の財産は、今や十分に莫大なものであると言って良いのであろうか。未だ真理への道程は具体的な形で、すなわち神的レトリックを用いて示されてはいない。地上にあって一つ大きな不幸を嘆くことを許されるとしたら、我々は早く産まれすぎたことにこそ悲しみと悔しさを感じなくてはならないのかもしれない。我々が受け継いできたものはまだ、魂を宿すに至っていないのである。人間の身体は数え切れないほどの細胞によって構成されているが、我々の保存している真理の細胞は、自律的に働き始めるためにはまだその数が足りないのである。出産には多大な苦痛が伴うものであるが、地上の種族たちは母として耐えがたき痛みと悩みを待望しなくてはならない。言い換えれば、我々は真理の光栄なる苦しみにあずかる権利を有している――!