ゲルタ・ストラテジー

唯一神ゲルタヴァーナと怒れる十一の神々に敬虔なる真理探究者たちの散兵線における無謀を報道する。

決闘をしよう

 「ケンジナ、トロモス、ミンガラモ、前へ出ろ!」

 「「「応!」」」

 彼ら4人は、己自身のそしておのおのが忠誠を誓う思い姫への侮辱を放った連中を世にのさばらせて置くくらいなら、むしろ死んでしまったほうが良いと考える武勇の男たちである。隊長のダケシャの号令に従い、剣を抜いて今にも相手の男たちに飛びかかろうという構えを見せた。

 一方この騎士たちに言いがかりをつけた、恐れを知らぬ衛兵たち4人も抜剣し、いつ飛びかかってこられても応戦してやるぞという気迫を放つ。もはや事態はのっぴきならぬものとなった。

 「少々無遠慮が過ぎた衛兵の諸君、剣を抜かれたな、もはやこちらは謝罪など受け付けぬ覚悟だがいかがかな」

 「もとより結構、我々はあなた方の命を頂戴するつもりなのだ」

 「よろしい! 事は決した!」

 まずダケシャが勇ましく衛兵の最年長格、黒髭のガロマに切りかかった。それを見たダケシャの部下たちも、各々が適当な相手に襲いかかった。

 ケンジナは一番若いピロオメに鋭い突きを繰り出したが、ピロオメはそれを避わし、逆に手厳しい反撃でケンジナの腕に傷を負わせた。しかしケンジナは怯まず、突きの体勢からの舞うような連続技で翻弄し、結局ピロオメの股を突き刺して相手の戦意を喪失させた。

 ケンジナがピロオメの剣を奪ってしまった後、冷静になって場を見渡すと、まだ仲間の3人は戦っていた。