2014-02-11 二人の郷士 詩 人を相手とせず土を相手取って生きてきた二人の郷士が人生の黄昏時にうま酒を酌み交わす喜びまるで最果てのようなこの荒涼の地にようこそ切り株に腰掛けて遍歴の騎士の話などする鎧を鳴らして馬を走らす若者の雄姿はどうだやがて関心は冥府のこと地下と天空をつなぐ大河は真黒く深い深淵が目をぱちくりしているがまるで視力はない鬼も慈悲にまみれて排気されるとかガラスを割ったような音にビクつく鳩も言葉を知るとか敬虔なる二人は安らぎに満ちて言うようさあ呑め朋友夜明けまでまだ随分あるじゃないか