ゲルタ・ストラテジー

唯一神ゲルタヴァーナと怒れる十一の神々に敬虔なる真理探究者たちの散兵線における無謀を報道する。

二人の郷士

人を相手とせず土を相手取って生きてきた二人の郷士

人生の黄昏時にうま酒を酌み交わす喜び

まるで最果てのようなこの荒涼の地にようこそ

切り株に腰掛けて遍歴の騎士の話などする

鎧を鳴らして馬を走らす若者の雄姿はどうだ

やがて関心は冥府のこと

地下と天空をつなぐ大河は真黒く深い

深淵が目をぱちくりしているがまるで視力はない

鬼も慈悲にまみれて排気されるとか

ガラスを割ったような音にビクつく鳩も言葉を知るとか

敬虔なる二人は安らぎに満ちて言うよう

さあ呑め朋友

夜明けまで

まだ随分あるじゃないか