てめえらぜっていにゆるさねえからなあ

「てめえらぜってい（絶対）にゆるさねえからなあ」

そんなことを言う５０代の男性が、今日私の家の庭でワンワンごっこをしていた。

ワンワンごっこというのは手足を接地し蠢き回る東洋風の儀式で、その起源は中華の帝国において行われていた風習にあるのだという。日本の文化の多くは中国大陸から伝わったものであるが、ワンワンごっこもまぎれも無くその内の一つであると言えよう。

５０代男性は奇声を発しながら、周囲の人間の顔をしっかと白眼視する。もはや男性は世俗の価値観や風俗に縛られることは無く、阮籍が如き神仙の境地にさまよいながら、万物に白目を剥くのである。

こういう大人になりたいとは思わないだろうか？

私は是非彼を目標としたい。

最近の若者は彼のような人生に抵抗感を覚えるだろう。若者らはやれビジネスだ、やりがいだ、社会への貢献だ、などとせわしなくていけない。そんなことをしていたら疲れてしまう。疲れていたら真理が見えないじゃあないか。見えないということはつまり無しか成し得ない状態にあるということじゃないか。それじゃいけねえや。

若者よ、世俗を捨てよ。宇宙に驚愕し、真理に涙せよ。