麗しき青春は犬の快楽を享受しない
「ん、うむぅ、ふぅっ、はぁっ、れろれろ、ちゅっむ、ふっ」
ルミカはもはや視線を俺の局部の一点に集中させ、息遣い荒く夢中で舐っている。俺はこんなことをされた経験ないから、ルミカのこのフェラ上手いのか下手なのかいまいち分からないが、憧れの女の子の舌で局部を舐めさせる背徳の快感は自慰では得られないほど強烈だ。
「ルミカ、でる・・・・・・」
物理的な刺激というよりも、完全に好きな女の子に舐められているという事実のみで興奮は絶頂に近づき、射精感はすぐに抑えられなくなった。
「くぅっ!」
情けない叫びを上げながら射精してしまった。自慰では決して声など漏れないのに。精液はルミカの口の中に放出された。ルミカは局部から口を離したが、精液と唾液の混じった糸が唇と局部の間にだらん、と伸びて床に落ちた。上目遣いでこちらを見やる彼女に俺はもうさらに高まる性欲を制御しきれない。
「ルミカ・・・・・・ルミカ!」
「ユキナリ君、キミの精液から漏れ出た守護霊の欠片《パルファード》、もらっちゃった。えへへ。油断したユキナリ君が悪いんだぞぉ」
その華奢な肩に手を掛け押し倒そうとした俺を制して、ルミカはそう言い放った。やられた!ルミカはサキュバスのスキルをもった術者だったのだ。
サキュバスの性質を持つ女性は、男性の精液や唾液から霊力や魔力を吸い取ることができると言われている。ただ実際被害にあった男どもはそれを恥じて事実を隠すために、あまり世間ではサキュバスの恐ろしさがいまいち認識されないのである。まさに俺は不幸にもスケベな男の典型だったってワケだ。こりゃ一本とられた。当然《ベルベルト》の仲間にはこんなこと、言えるわけないぜ。
乱れた髪を手でブワっとかき上げて、こちらを不敵な笑みで眺めつつ立ち上がったルミカはさらに、
「ユキナリ君のえっちなお汁、おいしかった♪ごちそうさまー」
などと俺の精神に容赦のない追い討ちを仕掛けてくる。
「ふぅん、ユキナリ君の守護霊ってすっごくランク高かったんだねぇー!でも今のえっちで、陰徳ごと吸い取っちゃったからもう回復はできないよっ」
もう勘弁してくれ、ルミカ。ただでさえ最近は女難続きなんだぜ、俺。
うなだれる俺の肩にぽん、と手を置いて、ルミカは俺の耳にささやく。
「そういうわけだから、あんたもう、用無し。バイバイ、このスケベ」
ぞっとするほど暗く低い声だった。
――刹那、ルミカは俺から奪った高級守護霊「武勇蟷螂大公《デルデンペスラ》」の銀色の霊力刃を左腕から出現させ、ビュワンッ、俺の首を本気でかっ斬ろうとしてきやがった!今の刃の軌道、俺が咄嗟に反応できなかったら間違いなく頚動脈に命中してたぜ。
ルミカは俺の回避を意外に思ったのか、かなり驚いた表情をして、
「守護霊を失ったくせになかなかの運動神経ね。そういうのウザいよ」
と冷酷につぶやき、さらなる攻撃を仕掛けてきた。
ぶんっ、ぶんっ、ブオンッ!
《デルデンペスラ》の霊力刃は、俺の長年の愛顧にもかかわらず一片の曇りもない銀の光彩を放ち容赦なくこちらを追いたてる。俺もなんとか今の所は正確にかわし続けているが、このまま劣勢が続くのはおもしろくない。体力が持たないし、なにより《ベルベルト》との合流まで時間が後わずかしかない。実際あのまま本当にえっちしてたら奴らとの合流には間に合わなかったろうな。
「あんた何を隠してる!?陰徳まで吸われた男がこんな動きできるはずがない!」
攻撃を続けつつルミカは焦りだした。俺もここで奥の手――怒神《バエング》――を披露してやってもいいのだが、その場合口封じもかねてルミカを亡き者にするか、あるいは、非常に困難ではあるが、説得による感化でこちらの陣営に寝返らせなければならない。前者の手段は、なんと言ってもさっきまで完全に誘惑に負けていた弱みもあって、どうにも卑怯な気がして気が進まない。後者の手段はまず難し過ぎる。しかしどっちか片方を選択しなければならないとしたら・・・・・・後者だ。困難だがやってみる価値はある。駄目ならその時は殺してしまおう。
意を決して俺は、
「ルミカ、俺の高級守護霊は一種のブラフに過ぎない。俺の本命はこっちだぜ」
――偉大なる十一の神の内の、最も讃嘆すべき霊験と怒気を有する覇者、怒神《バエング》が俺の背後から沸き立つように出現する。グラグラと煮え立つような怒りの波動は人間の恐怖心に直接訴えかける迫力を発するために、さすがのルミカも眼を見開いて硬直した。
ここぞとばかりに俺はまくし立てる。
「切り札の怒神だ。これが《ベルベルト》の結集軸ってわけさ。これを惜しげもなくルミカ、お前に公開したのは他でもない。俺はルミカに《ベルベルト》の一員になって欲しいんだ。これまでの因縁やら利害関係やら、そんなものは今ここで一旦白紙にしてくれないだろうか。俺達の目的はなんだ?結局の所目指すところは同じ、『真理《ゲルタ》』じゃないか。お前が唯一神派で、俺が十一怒神派であるということ、そんなのは本物の《ゲルタ》の前ではどんなに小さいことだろう!共に同じ到達点を目指す登攀者であるならば、なぜ最も効率の良い方法、すなわち連帯、をとらないのか!俺達はここでいがみ合っているべき存在ではないはずだ!ルミカ、お前にだけは真摯に俺の思うところを隠し立てなく伝えておきたかった。本当は今日お前を呼び出した理由はこれなんだ。ルミカ、俺と一緒に来てくれないか。」
ルミカは怒神の圧倒にすっかり戦意を失い、俺の饒舌に気弱な表情で耳を傾けた後、
「ユキナリ君、今の私の無礼、許して下さい。私なんでもします。まさか《ベルベルト》が怒神を有していたなんて・・・・・・。唯一神派は内部の権力争いでとてもとても真理《ゲルタ》どころじゃないの。でもユキナリ君達は間違いなく真剣に《ゲルタ》を目指してるんだね。だって本当に真剣じゃなきゃ《バエング》の獲得なんてとてもできないもの。私目が覚めました。ユキナリ君、私はあなたに従います。どこまでも、《ゲルタ》の下に赴くまでは」
すっかり弱り果てた顔をして霊力刃を消失させ、素直に投降してくれた。また俺の好きなやさしく可愛いルミカの顔に戻ってくれたから一安心だ。
「さて、じゃあ《ベルベルト》のみんなと合流しに行こう。合流ポイントはこの近くの幽界特異点なんだ。ついてきて。」
「うん・・・・・・!」
ぱたぱたと愛らしいアクションで俺の腕に絡みついてきた。まったくこの変わりよう!これだからサキュバス・スキル持ちは恐ろしいぜ。
教室を出ると、俺は咄嗟にいいことを思いついたので早速ルミカに伝える。
「ルミカさっき、俺に許されるためにはなんでもするって言ったよな・・・・・・」
―――――――――――
ガラッ。
授業中の2−2の教室に遠慮なくずけずけと進入する。国語教師が驚いた表情で何かこちらに言おうとしたが、ルミカのオリジナルの守護霊「氷結蝶騎兵将《フィンセロキュトム》」が発した霊光で無力化(スタン)させられ、ばったりと教壇の隅に倒れた。授業を受けていた生徒達は、学年でトップを争う美女、波木ルミカと学年でダントツトップの奇人、筒野ユキナリが一体何をやらかすのか期待と不安の半々の気分でこちらを静かに眺めている。
「えっ、えと、私、波木ルミカ、は、実はあの、あ、の、優秀な2−2のみなさんに解決してもらいたい、悩みが、あの、あって、来ました・・・・・・」
歯切れの悪いルミカを咎める意味で、俺はルミカのスカートに手をいれてパンツの上から尻肉をつねった。
「ひやっ!?うう・・・・・・酷い・・・・・・え、えと、私の悩みというのは、え、う、う、・・・・・・カラダの悩みで、・・・ひんっ!分かったからそんなとこつねらないで・・・・・・えと、私の悩みは、あの、私のあまりにえっちでイケナイこのカラダを、どう、オシオキすべきか、皆さんの目から見て判断してもらいたい・・・・・・ってことです・・・・・・」
「おいおい・・・・・・」「これなにかの罰ゲーム?」「センセー呼んで来た方がいいかな・・・・・・?」
2−2の生徒の大部分もさすがに俺の悪戯にしては冗談の域を越していると感じて、ざわつき始めるが、如何せん俺は元から冗談のつもりはないんだ。俺は脅威であるルミカのハダカを衆人に公開してその価値を地に墜落させ、無力化する。
「じゃあ、ぬ、脱ぎます・・・・・・」
ルミカはブレザーから脱ぎ始める。今の今まで何かの冗談だろうと思っていた生徒もさすがにここに来て事態の尋常じゃないことを確信した。女子生徒は先生を呼ぼうとしたが、俺の《バエング》がそれを許さない。もはや席から立ち上がったり大きな声をあげることはできないようにしてある。《バエング》と俺はどうも行動操作系の能力を使うのに相性が合うらしいから好都合だった。男子生徒は、気を使って見ない振りしてチラチラ視線をルミカに置く者半数、開き直ってじっと見物する者半数ってとこだ。
「くぅ・・・・・・ふぅっ・・・・・・」
下着に手をかけるまで少し躊躇の時間があったが、むしろ場の興奮を増すのに手を貸しただけだった。結局ルミカはピンクのブラを外し始めると、むしろゆっくり脱ぐほうが恥ずかしいと気づいて、若干ペースを早めにして上も下もハダカになってしまった。全て脱いだ後は当然手で胸と性器を隠しているが、脱ぐ瞬間だけは無防備に、衆人の目にその聖域は晒された。パンティーは教壇の方を向いて、すなわち生徒達におしりを向けて脱いだのだが、逆にそのアングルの方がエロティックだったかもしれない。足がちょっと上がって前かがみになったとき、バックの体勢からその綺麗で未発達なつるつるのスリットが覗かれたのだ。
女子生徒はあまりの事態にパニックに陥っているが、声を出せないためにただ静かに涙を流したり肺を痙攣させたりしている。男子生徒の内紳士を気取る者らは眼をそらしているようだが、しっかりと下半身の膨張が認められる。素直な男子生徒はようくこの機会を活かして美女の裸体を目に焼きつけている。それに満足しない写真部の田中俊一は、自慢の一眼レフで撮影まで始めた。後にこの写真はかなり高レートで取引されることになるだろう。もしこの学校が携帯電話禁止じゃなかったら、きっと男子の多くがパシャパシャ言わせていたことだろうが、今回は田中の大儲けだ。よかったな、田中。でも売り上げの8割はよこせよ。一部の厚顔無恥な男連、特に「メンジャー」とあだ名されているくせっ毛の太いにきび面を中心とする根暗グループは、大胆にもファスナーを開けて自慰を始めていた。女子の何人かはそれを見つけて、おそらく校風上ほとんどが男子の局部を初めて見るためにいたく興奮したらしく、もぞもぞと手をスカートの上から入れて、なにやらクニャクニャ体を悶えるように動かしている。俺が近寄って、野中りおんのスカートを破いて取り去ると、彼女はパンティーの中に手を突っ込んでびちゃびちゃに濡らしながら自慰をしていた。彼女の視線は自慰をしている男子の男性器に釘付けで、俺がスカートを取り去ったのにも気づいていない様子だったために、ついでにパンツも破いてとりさった。綺麗なマシュマロのような肌の、つるつるの無垢な股の、一本の穢れ無きスリットは粘液でくちゃくちゃで、少し拡張してピンク色の内部構造が覗いていた。指は止まる事なくそのスリットをなぞったり、或いは中の複雑な肉の構造物をこねくり回したりして、快感をむさぼっていた。
もう俺もそれを見て抑えられなくなって、
「りおんちゃん、ちょっとごめんね」
とだけ言って彼女の指を局部から離させ、両手とも恋人つなぎをしてにちゃにちゃの手を封じて、ちょうど対面座位の格好で挿入した。粘液のためにするすると男性器はりおんちゃんの性器に納まっていったが、如何せん性器自体が未成熟であったのでキツメではあった。ちょっと痛かった。入れてすぐ、動くまでもなく中の温かさに興奮して、射精してしまった。