ゲルタ・ストラテジー

唯一神ゲルタヴァーナと怒れる十一の神々に敬虔なる真理探究者たちの散兵線における無謀を報道する。

闘牛の素晴しさ

闘牛は素晴しい。
戦いに望んで赴く男の、命を削る血の舞踏。
Toreador、構えよ。
地獄より出で来る漆黒の双眼が、こちらを睨んでいるぞ。

町田美奈子(背教者)「残酷よ。動物虐待だわ。文化として認められるものではない」

レゼン丸山シータ「知ったことではない。この文化的卓越と芸術的完成を理解しないとは愚」

町田「動物虐待だわ。野蛮」

レゼン「野蛮という概念への否定的態度を見せる、その過ったパラダイムこそ人類史において、存続すべきでない」

町田「動物も生き物、私たちの仲間なのよ、共存こそ本義だわ」

レゼン「愚かなことを言う。真理への到達が原理的に不可能な被造物と己を同等に配置するとは、盲目ここに極まれり」

町田「動物も人間の言葉を理解できるのよ、分かり合えるの」

レゼン「では真理の言葉を理解しない貴様は、ああ、人に至らぬ哀れな供物!」

町田「私は人間よ」

レゼン「ならばなぜ真理に至らぬか、よくよく思索をめぐらせなければならない」

町田「そんなこと。私は動物達を大切にする人権派進歩的市民だわ、宗教に縛られた骨董品のあなたと違って」

レゼン「貴様は盲目」

町田「あら、子猫がこちらへ近寄ってくるわ、かわいいけれど野良みたいね、保護しなきゃ」

レゼン「さあ構えよ!槍を取れ!」

町田「いや、なにをするというの!」

レゼン「猫よ、命を賭した狂騒をいざ!」

『獣狩りの歌』

人と獣は分かり合えぬ
人は望みて戦いに赴くもの
勇敢なる戦士は獣の本能を持たぬ
ただ理性のみただ人性のみ
勇気の祭典、踊るのは我ぞ
我人間のみ、真理の道程にある勇者ぞ

さあ獣、牙を剥け、爪を磨げ
貴様らが戦いに身をやつす理由など知れている
それに対して我々は望みて戦いに赴くもの
勇敢なる騎士は獣の心臓を貫く
ただ勝利のみただ真理のみ

さあ獣、吼え立てろ、目を開けろ
貴様らの戦いの勝敗は既に決している
いかに奮おうとも我こそが勝利を掴むもの
勇敢なる闘士は獣の心臓を切り裂く
ただ勝利のみただ真理のみ