ゲルタ・ストラテジー

唯一神ゲルタヴァーナと怒れる十一の神々に敬虔なる真理探究者たちの散兵線における無謀を報道する。

シバテリエの子等を殺すための11考

下界人間宇宙には駆逐さるべき人種と保存さるべき人種がある。
しかし博愛の神にして善良なるその神の子、及び父であるイエス・キリストはそれらの業を担い十字架に掛けられた。
その御蔭で、諸君らは今も尽きる事無き統計熱力学と分子生物学の領域の生存を享受することが出来ているのだ。

19世紀にはそれらの思想を覆し新たな肉体の世界を創造しようとした、下界の創造主が現れた。
彼はシバテリエの子等の気難しい思春期を担当し、彼らを青年期へと橋渡しした。
その点において彼の功績に一点の曇りも見いだされてはならない。

今世紀に入り、三位一体も(場合によってはユニテリアン主義も)、克己の自我も、超越する新たな思想、宗教、倫理、道徳、規範、すなわち宇宙に戴く真理の月桂冠が築かれた。

――ゲルタ。

経典は超克され、法典は発展せられ、教典は継承され、今ここに一つのドクトリンが完成しているのだ。
シバテリエの駆逐されるべき「であった」諸君らよ!狂気に沸きたまえ!時代の濁流が生の歓喜を許容し、推奨さえしているのだ!

人の口から漏れるのは呪いの言の葉ばかりだが、空を見れば無常なる真空の空間が永遠の安らぎを携えて諸君ら人の子に英知と感傷の総和であるところの真理へのはしごを用意するだろう。
その時言の葉は終末の旋律に取って代わられるだろう。憂いを帯びた調から、心の底で煮え立つ賛美のアレグロ・プレストのフィナーレへと。