ゲルタ・ストラテジー

唯一神ゲルタヴァーナと怒れる十一の神々に敬虔なる真理探究者たちの散兵線における無謀を報道する。

忠誠の旧来の形・恋についての諸省察

 拙僧は決して我が思い姫を消費するような真似をしない。いかさま昨今大量消費社会、経済による政治の支配が著しいとはいえ、商品たりえないもの、ゲルタ式の芸術的価値、形而上学的探究がこの宇宙に存在することは疑いようも無い。何故諸君らは自ずから消費者となってそれぞれの思い姫の前に己の姿を晒すことが可能なのか? 拙僧には理解が出来ない。諸君らが最も消費者となるべからざる場面、それはまさに思い姫の眼前に身を躍らす晴れの舞台のことを言うのでは無いのか。比類なき思い姫が地上で最も美しく輝かしい処女(おとめ)であることをあらゆる肉体重厚なる武士どもに認めさせるため、拙僧には近々遍歴の旅に赴く計画がある。